カートリッジと言えば、なんといってもMC型である。デノンDL-103 ヤマハMC-5 MC-1Sと使い込んできた。ダイナベクターやオルトフォンもあるが、何れも販売時期は結構古い。
現行品のMCの音も聴いてみたくなった。かといって高級品には手が出ないし。口コミで比較的評判の良かったオーディオテクニカのAT-F7というMCカートリッジに目が止まった。どうせリファレンスにはならないだろうという軽い気持ちで・・・・
実際のところ軽さが半端ない。シェルに錘を付けてやっと対応した。加えて、何と言ってもシェルへの取り付けにくさはピカイチ。針カバーしたままではネジは締められないという欠陥品。針に引っかかりそうで、久しぶりに緊張して精密ドライバーを回した。
で。音だし一発目・・・予想通り大した音は出ない。低域も高域もダメ。寝ぼけた音である。一瞬、失敗だったと後悔した。
しばらくエージングしていたら、徐々に・・・・寝ぼけた音が減ってきた。
半日、鳴らした頃から実力はDL-103を越えた。もうちょっとするとMC-1Sを越えるかもしれないという期待。現実にはハイエンドとローエンドはMC-1Sに劣るが、強調感が無い素直な音なのである。還暦過ぎの耳には、かまぼこ形でローエンドとハイエンドが伸びた理想的な特性に聞こえる。中域も重視なので、たとえばJAZZだとさらっとしすぎるという意見もあるかも。
というわけで、MC型として我が家のリファレンスの一員に昇格した。オーディオテクニカというとMM型カートリッジやMCアンプはあるがたいした実力ではないと思っていた、実際イヤーフォンくらいしか魅力はなかった。ところがどうして、安いMCカートリッジもいける。同社のMC型の高級品も是非聴いてみたいけど、予算の関係で諦めることにした。